「モダンミーティング」に必要な7つの原則

組織でビジネスをする上でミーティングは必要不可欠なことです。ですがやり方によってはミーティングは時間をムダにするものになります。効率良くミーティングを行う方法はあちこちで提案されていますが、私がいつも参考にしている本をご紹介したいと思います。

Read This Before Our Next Meeting」(Al Pittampalli 著、2011年8月出版) です。もし邦題をつけるなら「これを読まずにミーティングに参加するのはやめなさい」といったところでしょうか。

特に日本のビジネスパーソンに 

何も決めていない状態でミーティングを行うことは時間のムダです。決められない日本人は、何かを決めるために多くの人をミーティングに参加させたはずが、結局決められずに参加者の貴重な時間を奪っています。この本は日本向けに書かれたものではないのですが、日本人ができていない多くのことを主張しているように感じます。

「Read This Before Our Next Meeting」概要

本書からポイントを抜粋して抄訳していきます。

    • ミーティングが多すぎる。そしてムダなミーティングが多すぎることに私たちは気づくべきだ。
    • ビジネスが複雑な問題を抱える中で、調整や一致を必要としてミーティングは存在した。ミーティングとは、複雑なプロジェクトに対して知的な意思決定を行い、チームが効率的に動けるようにすること。
    • 従来のミーティングは「妥協の文化」を生み、「切迫感」を失わせている
    • 会話グループワークセッションブレインストーミングはミーティングと呼ぶべきではない
    • では「モダンミーティング」とは何か?それはたった一つの理由のために存在する、聖なるツールである。その理由とは「意思決定の支持を得ること」である。

「モダンミーティング7つの原則」

著者の Al Pittampalli 氏は「従来のミーティング」に対し「モダンミーティング」を次のように説明しています。
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「モダンミーティング」は、

  1. すでに決めたことの支持を得るために行う
  2. 速く進め、時間通りに終わる
  3. 参加者数を限定する
  4. 準備不足は許されない
  5. 明確なアクションプランができあがる
  6. 情報提供はしない。メモを読んでおくことは必須である
  7. ブレーンストーミングの文化とセットで機能する

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以下、各原則について説明を加えていきます。

1.「モダンミーティング」はすでに決めたことの支持を得るために行う
    • 結局のところ、意思決定とは個人によって行われるもの
    • 予備的な意思決定」をせずにミーティングを開いてはならない
    • 支持すべき意思決定があって「モダンミーティング」は開かれる
    • 議論を投げかけるものではない
    • 「予備的な意思決定」に必要な情報があれば、個別に聞くべき
    • 「モダンミーティング」にとって「衝突」と「調整」は重要である
      • 「衝突」:衝突する意見は望ましいもの。予備決定をしたあとに、異なる意見や真剣な反対があったらそれらをテーブルに並べて検討する。もし衝突したくないなら、「モダンミーティング」なんて開かず、そのまま決めて、メモを送ってしまうのがいいだろう。
      • 「調整」:意思決定により導かれたアクションは時に適切な調整が必要である。計画を上手くすすめるために賢い人に参加してもらうのがいいだろう。
2.「モダンミーティング」は速く進め、時間通りに終わる
    • 従来のミーティングは時間がなくなると延長したり、もう一度ミーティングを開いたりしてしまう
    • 終わりの時間を決めることにより、それまでに意思決定が行われる
    • 時間があるほど余計な議論が始まり、同じ話を繰り返す


3.「モダンミーティング」は参加者数を限定する
    • 従来のミーティングは参加者が多すぎる
    • 満場一致のために必要な合意数は、2人なら1つだが、4人なら6つ、10人なら45もの数になる
    • ミーティング参加者は次のことを自身に問うべき
      • ミーティング後に自分は機能できるか?
      • 事前に議論された意思決定を与えられたら、事前に自分の意見が言えるか?
      • 話に参加しなくてもミーティングに出席しているだけで何らかの価値をもたらせるか?
      • 象徴的な存在として、あるいは権力を誇示するためだけに参加していないか?
    • もし強い意見がなかったり、結果に興味がないなら、参加を要請されても断るべき
4.「モダンミーティング」では準備不足は許されない
    • 従来のミーティングはコミュニケーションツールである
    • 「モダンミーティング」のリーダーはアジェンダを作成し、背景となる資料を提供する
    • アジェンダを用意する段階で、目的、参加者、時間などを考えることになる
    • アジェンダは問題点を明確に提示し、選択肢を掲げ、意思決定を表明すべき
    • アジェンダは参加者に準備を求める
    • 従来のミーティングでは、その場で思いついたコメントが賢く聞こえるかもしれないが、モダンミーティングにおいてはただの思いつき
    • 準備不足の参加者がいたらミーティングを中止するか、その参加者抜きで行う
    • エグゼクティブが急に手ぶらで入ってきて、まるで王様のように報告を求めるかもしれないが、それは最悪

5.「モダンミーティング」では明確なアクションプランができあがる
    • 「モダンミーティング」において詳細な議事録は不要
    • 知る必要があるのは、意思決定アクションプランだけ
    • 参加を要請されたのにミーティング後に担当するアクションプランがなかった場合、次の参加を断ってもよい
    • アクションプランには少なくとも以下を含むこと
      • どんなアクションにコミットするのか?
      • 各アクションの責任者は?
      • アクションをいつまでに完了すべきか?
    • ミーティング後、参加者が同意したアクションをきちんと実行しているか、リーダーがチェックする
6.「モダンミーティング」は情報提供はしない。メモを読んでおくことは必須である
    • メッセージが伝わっているか確認する方法として、従来のミーティングは開かれていた
    • 「モダンミーティング」は、メッセージを読まない組織では成り立たない
    • 考えはまとめて文書にし、読むに値するものにする


7.「モダンミーティング」はブレーンストーミングの文化とセットで機能する
    • ブレインストーミングは不合理なように聞こえるが、「モダンミーティング」の成功には欠かせない
    • 結局のところ「モダンミーティング」は意思決定にフォーカスするもの
    • ブレインストーミングの基本原則(一部だけ抜粋)
      • そのアイデアに情熱的な人が参加する
      • 気前よくほめる。批判や評価は禁止
      • イデアの数を数える
      • タイマーを使う
      • 楽しむ

あなたが決めるべき


いかがでしたでしょうか?私なりには「モダンミーティングとは、必要な情報はあらかじめ調べ、会話をし、そして考えぬいた自分の意思決定について、関係者からの支持を得て、その関係者のアクションプランを明確にしコミットしてもらうもの」と解釈しています。

そう、あなたが決めないといけないのです。あなたが決めるべきなのです。大した知識もなく、下調べもしていない会議参加者によって多数決で決めたり、その後何もしない上長による「鶴の一声」で決めるなんて馬鹿なことをするのはもうやめましょう。

本書に書かれていることを実践するのは簡単ではないと思いますが、一流の組織をつくるために取り組む価値があると思います。

このやり方を実践する上で質問があるかと思いますが、本書にはFAQもあります。日本語版は今のところありませんので、興味がある方はぜひ原書を読んでみてください。80ページと薄い本(私は電子書籍で読みましたが)なのでそれほど時間はかからないと思います。日本企業の生産性が向上することを願っています。