「オプトアウト」型の情報共有方法

オンラインでの情報共有のスピードを上げるために、私は全ての仕事を社内のパブリックスペースで行っている。プロジェクト計画、イベント企画、議事録、備忘録など全て。隠す必要があるものだけアクセス制限をかける。

一般的な日本企業はこの逆で、基本的にはローカルコンピュータで仕事をして、共有したいものだけをどこかにあげて共有する。だからスピードが遅い。メールも関係者だけしか見られないのでローカルに近い。

私の情報共有の方法(というかAtlassian社員のほとんど)は言わば「オプトアウト」で日本企業は「オプトイン」。オプトインだと誰かが欲しい情報があったときに、共有スペースですぐに見つかればいいが、そうでない場合は大変。まず誰がその情報をもっているのか探す必要がある。それからその人に共有を依頼する。時間がかかりすぎる。

オプトインに良い点があるとすれば、厳選された情報だけが共有されているので、受け手はあまり迷わずに情報を受け取れるということ。その点、オプトアウトは情報がたくさんあふれているので、もし受け手に取捨選択の能力がないと、検索などに余計な時間がかかってしまう。

これってインターネット上の情報に関する議論に似ている。インターネットには玉石混交の情報があふれかえっていて、時にそれが批判の対象となる。しかし能力のある人はきちんとその中から必要な情報を見極められる。オプトアウトに近い。

社員の能力があまり高くない企業は、情報共有をオプトインにして、高い企業はオプトアウトにするのがいいんじゃないだろうか。と言ってしまうと投げやりな感じなので、日本企業はなぜオプトインなのか、その理由を考えてみると、

  • 上層部が自分の情報を出したがらない
  • 社員の能力を過小評価している、信用していない
  • スピードよりも(なんちゃって)コンプライアンスを重視している
  • オプトアウトの考え方があることに単に気づいていない
  • 上層部が情報統制のイニシアティブを握りたい、ボトムアップを認めない
  • オプトアウトの仕組みを作るためのコストを負担できない

他にはどんな理由があるかな?そして、それらは企業の成長のために必要な理由なのだろうか?