Atlassian Summit 2015 Opening Keynote ハイライト書き起こし
今週、米国サンフランシスコにてアトラシアンの年次カンファレンスである「Atlassian Summit 2015」が開催されています。本日 11 月 5 日午前 2:00 (日本時間) から Opening Keynote セッションが行われました。
セッション内でもふれられているように、今年は Keynote (基調講演) がマーケット別にも実施されます。ソフトウェアチーム、IT チーム、ビジネスチーム、それぞれに向けて基調講演が行われます。そのためここで紹介するものは「Opening Keynote」と呼ばれているわけです。
さて、本セッションですがさっそく録画が公開されています。「Opening Keynote: Smarter, Better, Faster, Stronger Teams」をご覧ください。通しで見ると一時間ちょっとあります。全部をご覧になることをおすすめしますが、時間のない方はご興味のあるところだけ見るのもいいかもしれません。メモ程度ですが内容を下記しておきます。
オープニング (0:00)
この音楽、衣装。ダフト・パンクが DJ か??
マイクとスコットの登場 (2:05)
ダフト・パンクの衣装を脱いで、アトラシアンの共同創設者兼共同最高経営責任者 (CEO) であるマイク・キャノンブルックスとスコット・ファークァーが登場。
JIRA のアジャイルボードで音楽を流していた。JIRA の「DJ Kanban」アドオン。
10 年以上前にマイクとスコットが二人でアトラシアンを起業した時の話。すべて二人でやった。マイクが展示会で写真に写っている。スコットはどこにいるか?写真を撮影している(笑)
今回のサミットの参加者は 2,500 名。二週間前に売り切れ。
起業時にたてた目標 (6:07)
小さなチームだったが大きな目標を設定した。50,000 顧客を目標にした。
その証拠として、2005 年のテレビインタビューの映像が流れる。マイクがインタビューを受けている。この頃はマイクがだいぶかわいい(笑)
10 年経過し、この 50,000 社の目標を達成することができた。
アトラシアンの顧客の数え方はとても控えめ。個人の会社などは数に含めていない。
その他に、10 名以下の組織や無料ライセンスを使用しているのが、375,000 社以上もある。
3 つのデプロイメント オプション (9:22)
ここでスコットにバトンタッチ。3 つのデプロイメント オプションである Sever、Data Center、Cloud を紹介。
ここでは、昨年大きな投資を行った Cloud オプションについて説明。最近、アトラシアン顧客の Cloud オプション利用率が 50% に達した。今後も投資を行っていく。
アドオンを提供する Marketplace (11:07)
世界最大規模のマーケットプレイスである Atlassian Marketplace。アドオン数が 2,000 に到達した。
50% のカスタマー (JIRA/Confluence Server) はアドオンを使用している。こんなに多くの顧客がアドオンを使用しているのはすごいこと。
そして Marketplace の累計売上が $100M に到達。
Atlassian Foundation を通じたチャリティ活動 (12:34)
アトラシアンの企業文化として giving back がある。$69M 相当のコミュニティライセンスを寄付。
社員は 1% の時間をチャリティ活動に使える。
チャリティ団体 Room to Read とのパートナーシップにより、教育の機会を提供している。カンボジアの少女の例を紹介。これまで 250,000 人の子供に支援を提供できた。
Atlassian、Salesforce、RALLY で「1% Pledge」キャンペーンを開始。2 か月前に 500 社に到達。
働きがいのある会社 (18:14)
アトラシアンは働く環境が良い。
オーストラリアでは全規模で 1 位。米国では中規模 (1,000 名以下) で 2 位。Best Place to Work
ミッションドリブンの会社 (19:33)
「Unleash the potential in every team」すべてのチームの可能性を解き放つ
Forbes:「Atlassian is to software as Apple is to design.」
ソフトウェアチーム向けで成功したが、IT チームにも。2 年前に目的別のソフトウェアとして JIRA Service Desk をリリース。大成功をおさめている。
ソフトウェアチーム、IT チームの他にも人事、会計、マーケティングなど多くのチームに。
2014 年では 35% の顧客が JIRA をソフトウェア開発以外に使用。2015 年には 50% に。
Fortune:「Atlassian, a favorite with software developers is redefining business collaboration.」 ビジネスコラボレーションを再定義。
チーム別の基調講演を行うので、今回初めて 4 つの基調講演。
顧客の声を聞く会社 (23:25)
We're listening
フィードバックを取り入れて良い製品を開発する。2001 年のウェブサイトで listens to client needs とうたっている。
パブリックにイシュートラッカーを利用できるようにした。当時、毎月 1,000 のフィードバックを得た。今では毎月 15,000 ものフィードバックを得ている。意思決定やロードマップに活用。
フィードバックにより 5 つの重要なエリアが決まった。
1. Performance パフォーマンス (26:28)
製品ごとにパフォーマンス専門チームを作った。60,000 時間を費やしている。測定とモニタリング。地理的側面からも検討。全体論的なアプローチ。
JIRA アジャイルボードの改善。JIRA Software 応答速度が二倍速く。Confluence も二倍に。1 秒以内に応答するページ数は一年前と比較して 5 倍に。HipChat モバイルは 4 倍速く。一年以内で平均すると 2 倍速くなった。パフォーマンスに関するフィードバックも半分以下に。
2. Simplicity シンプルさ (30:24)
顧客の声。柔軟で拡張性が高いが、シンプルさが欲しい。
アトラシアン史上最大のリリースである JIRA 7 において、目的別に三つに JIRA を分けた。ソフトウェアチーム、サービスチーム、ビジネスチーム。ベストプラクティスを利用できるように。ブループリント(テンプレート)を用意。
情報へのリンクを左側のサイドバーに集約。JIRA Softwareであれば、バックログ、スプリント、リリースなど。JIRA Core はもっとシンプルなサイドバー。
Confluence、Bitbucket にもサイドバー。
3. Scale スケール (37:40)
ここで再度、マイクにバトンタッチ。
三年前のサミットでとても大規模な顧客と会話した。製品についていい話を聞いた。しかし何百ものチームで上手くいかないので使用をやめなければいけないと聞いて、ショックを受けた。
アトラシアンには現在、エンタープライズ顧客(1,000人以上の社員)が 5,000 社以上ある。フォーチュン 100 のうち 79 社以上が顧客である。アトラシアンのコアの DNA を変えずに、大規模顧客に対応する DNA へと改善する必要があった。二年前からエンタープライズサービスの提供を開始した。
大規模に使用できるように「Data Center」を開発した。JIRA、Confluence、Bitbucket において使用できる。
この一年で Data Center 向けに行った 4 つのこと (40:42)
- JIRA Service Desk Data Center: ミッションクリティカルな業務において使用できる。HA、高いパフォーマンス。
- Data Center アドオン: 本日の時点で、Confluence アドオンの Top 25 のうち 23 アドオンが Data Center に対応している。JIRA では Top 25 のうち 24 アドオンが対応。
- 大規模環境におけるパフォーマンス: JIRA 30%速い。数百万の課題。AUTODESK 社の事例。2,000人のエンジニア。事例セッションあり
4. Mobile モバイル (45:55)
世界で 2.1B のスマートフォンのサブスクリプション。毎年、顧客からのモバイル対応の要望順位があがっていった。
アトラシアンの旅。デザイン (2010 年)、クラウド (2012)、エンタープライズ (2013)、モバイル (2015)
HipChat。iOS, Android 50% 速く。Apple Watch、AndroidWear、Tablet などにも対応。
JIRA、Confluence のモバイルアプリ。Confluence と HipChat の間を行き来できる。通知から返信するなど。
Confluence デスクトップとモバイルの間で同期。バスに乗って、モバイルで、読んでいたページから続きを読める。
ベータサインアップをこちらからできます。
atlassian.com/mobile
5. Integrations インテグレーション (51:35)
製品間の連係をスムーズに。JIRA、Bitbucket、Bamboo など。良い例が JIRA 7 で実装したリリースハブ。リリースの準備ができているか分かる。
ビルドのステータスを JIRA 7 内で見られる。
3 つのアプリケーションにまたがり。
その他のツールにも拡張したかった。Atlassian Connect を開発したのはそのため。どんな言語でも。
Bitbucketスクリーン内で Bithound (他ツール) を使える。
HipChat Connect (55:23)
今日から HipChat も Atlassian Connect ファミリーに追加。HipChat Connect を発表。
HipChat 内にオブジェクト表示。ニュース記事や、JIRA 課題のリッチプレビューなど。
表示だけでなく、HipChat 内でアクションも行える。コンテキストを失うことなく。
Bamboo からビルド失敗の通知。HipChat 内でサイドバーにビルド履歴表示や再ビルドも。
ソフトウェアチーム以外でも用途がある。たとえばマーケティングチームでは、サイドバーに Twitter メンションを表示させる。関連するものがあればオブジェクトを会話へドラッグして議論を始める。たとえば NPS を製品チームへフィードバックする。
強力なフレームワーク。自分のアプリケーションを HipChat 内で動かせる。
「Input Actions」オブジェクト作成。投票を行ったり。「Dialogs」インターフェース内に表示。「Cards」とても柔軟性が高い。「Message Actions」カードやメッセージにアクション。Yes、No 投票など。「Glances」サイドバーに情報を表示。投票結果など。
HipChat Connect 紹介ビデオ (1:02:20)
短いビデオを上映。
Connect と言えば、一年前、Atlassian Connect 対応のアドオン (Cloud で使えるアドオン) は 50 アドオンだったものが、現在は 300 以上になった。
まとめ (1:04:46)
最後に、このサミットで行われる 4 つの基調講演を再度紹介。そしてアトラシアンのハッカソンである ShipIt ライブのセッションをおすすめ。
Individual > Team だったが、チームがより重要に。ウォルト・ディズニー、マイケル・ジョーダンのブルズ、スティーブ・ジョブズのマッキントッシュ、iPhone などどれも一人ではできなかった。
Team > Individual になった。