日本のソフトウェア開発の悪しき文化を変える

ソフトウェア開発を行う上で必要なこととして、バグや課題の管理があります。それについて以前このブログで、このように書きました。

課題を管理するには課題管理ツールを使おう!

それからこんなことも書きました。

なんでExcelでの課題管理をやめられないかって?単なる習慣!日本人は隣の人と同じことをするのが大好き。

多くの日本企業がバグや課題の管理をするのにExcelを使い、メールでやり取りをしています。私はこれは深刻な問題だと思っています。

彼らがExcelを使うのは、習慣だからというとちょっと言い過ぎかもしれませんが、すくなとも「Excelが一番いい方法だから」という理由ではありません。

Excelだったら(見かけ上)導入費用はかからないし、(導入に限って言えば)手間もかからないし、誰もが(一応)使い方を知っているし、何よりも、皆が課題管理にExcelを使っているので、使用を開始する上で抵抗がないからです。

悪い文化は変えよう

これはロジックの問題ではなくて、どちらかというと日本企業の文化の問題のような気がしています。(お金を使えば楽をできるのに)楽をすることを良しとしない文化、(特に夜の残業の)人件費をタダだと思っているビジネス文化、(変えた方がいいと皆が思っているのに)変えることに積極的ではない文化、など。

文化を変えることは簡単ではありません。でも日本のソフトウェア開発をより良くしていくためには必要なことだと感じています。

どうしたら文化は変わる?

すぐには変わりません。だけど不可能ではありません。それが良いと思う人が増えてくると、文化は変わると思います。あるいは業界のリーダーがそれを始めると、フォローする企業がぐんと増える可能性もあります。私は微力ながら、いろいろな方法でそれに貢献したいと考えています。

良くないと分かっていることを続けるのって辛い

ベストではない、効率的ではない方法であることが分かっているのにそれを続けなければいけないのって、とても日本的だなと思うのです。終電まで残業して、愚痴をこぼしながら、コードを書いたり、バグを修正したりする、よくある(?)日本のソフトウェア開発の環境は改善したいものです。

少なくとも検討を

何がなんでも課題管理ツールを使った方がいいとは言いません。Excelの方が適しているチームやプロジェクトも中にはあるでしょう。よく考えもせず「これまで使ってきたから」という理由でなんとなくExcelを使っているのではなく、比較検討した上でExcelを選択しているのであれば、それはそれで良いと思います。

あなたができること

所属しているチームやプロジェクト内で、システムやツールの導入について議論することを提案してみてはいかがでしょうか?議論に2,3時間かかるかもしれませんが、効率化により毎日15分、仕事の時間を短縮でき、余計なミスも減り、取り組むべき課題の優先順位も明確になり、もっと顧客の要望に合うソフトウェアを作れるとしたら、とても価値のある議論になるでしょう。