データドリブンであることは本当に重要だ

先日、JoiさんPivotal LabsのIanさんのセッション「ONLive! Special 伊藤穰一とPivotalのIan McFarlandが語る」が開催された。気付かなかったので参加はできなかったんだけど、ビデオがアップされたので今日見てみた。アジャイル開発の話が中心で、セッションの内容全部が面白かったけれど、最後の方に特に一箇所すごく同意できる点があったのでメモ。

同意できることであるし、私が今の会社(アトラシアン)に入ってすぐに気づいたことで、日本の会社とすごく違うなと感じた点でもある。

アトラシアンでは、戦略からウェブサイトからメールまでほとんど何でもデータ重視、データドリブン。アンケートもとるし、A/Bテスティングもものすごくやる。

そしてデータを取るために必要になるのがデータベース言語だ。なのでうちのマーケティングのメンバーは自分で SQL を書ける人が多いし、そもそもエンジニア出身のマーケターも多い。

私は SQL を書けないので、何かデータを取りたいときは社内のBusiness Analyticsの専門チームにタスクを依頼しなければいけない。まあ、そういうチームがあるだけでも良いと思うけれど。でももし自分でSQLを書ければ、直接いろんなことを試せるのでもっといいなと思う。

メモ

42分40秒ぐらいから。

Joiさん「Zyngaとか成功している会社はめちゃくちゃデータドリブンなんだよね。プロダクトマネージャーってだいたいみんなSQLのデータベースたたけるやつばっかりで、常に分析してんだよね。

「ユーザーに聞いても分からないけれど、発想があってなんかテストして、それで一週間後にユーザーはこうなったけど、こういうコンバージョンレートがあって、SEOはこうで、めちゃくちゃデータを分析しながら自分の仮説をテストしてるんだよね。そのデータは全部残る。同じ間違いは犯さない。

「日本は、まあアメリカでもあるんだけど、鉛筆なめなめでやってみて、ページビューと売上ぐらいは見てるけれども、細かいユーザーの動き方とかデータの分析をしてないから、データドリブンじゃないんだよね。」

「リーン、アジャイル系のプロダクトマネージャーってのは、ほんとにめちゃくちゃデータを見てる。プロダクトミーティングってのはチャートだらけなんだよね

「アートとサイエンスがぴちっとつながってる。デザイナーはデザインしなきゃいけないけど、データベースもたたけなきゃいけない。技術者とも話ができなきゃいけない」


動画はこちら
「ONLive! Special 伊藤穰一とPivotalのIan McFarlandが語る」

日本との比較

以下、私が日頃おもっていること。

日本企業では何かアクションするときにデータではなくてベテランの経験を元にすることが多い。経験はたしかに重要だけれど、この動きの早い世の中で、経験だけに頼るのはとても危険。

そして日本のエンタープライズだと、データを取ろうにも取りづらい環境である。購入検討開始から購入までのリードタイムが長いし、ベンダーからエンドユーザーの間に二社も三社も経由する間接販売が多いので、信頼できるデータが本当に取りづらい。かといってエンタープライズ製品の直販は、現在の日本の商習慣になかなか馴染まない。

このあたりのジレンマをどう解決していくかが私自身の課題である。